今回の撮影取材について振り返る。
2020 7/14(火)午前6:00頃、東広島市河内町宇山で起きた自然災害(県道崩落事故)について自分の目で見て感じた事、疑問に思った事を【フォトリポート】させてもらいました。
僕は農業高校機械科卒ですから土木的な事は全くの素人です。
”学”も”知識”も全く有りません。
ただ言える事は以前、東日本大震災から6年経とうとしている東北の地に撮影取材に行き、そこで見た光景はいかに自分が「平和ボケ」していたかを思い知らされたからです。
テレビや紙面で見てる以上に6年経っても現地の復旧復興は進んでいない。
福島県に入れば黒いフレコンバックが山のように積まれ、中身は放射能に汚染された物が入っているとの事。
福島第一原発が見える所に立った時、人の気配が全く無く生命をも感じない空間で心が壊れました。
富岡町の処分場の近くのモニタリングポストの数値を見ながら・・・
自分は今、少量ではあるが『被爆』しているんだと現実を知りながら撮影取材を続けました。
広島に帰って、この現状を「平和ボケ」している県内の方に少しでも伝えたくてSNS(Blog&Facebook)を利用してリポートして来ました。
そして翌年まさかの「西日本豪雨災害」が起きて店舗兼住宅の我家も被災し罹災証明で全壊判定を受けます。
その頃から「記憶を記録する為」、自宅を含め市内及び県内、また近県の同じ様な災害に有った場所に伺い撮影取材を続けております。
もちろん自分なりに資料を集め事例や原因の可能性など調べては今後の教訓にならないか?また注意喚起に繋がらないかと考えていましたが・・・
2年経った同じ東広島市河内町で死者2名を出す今回の崩落事故が起きたのです。
何も出来なかった自分が情けなかった。
報道で救助の様子を見ながら救出される事を願い続けていましたが叶わず(涙)
通夜に参列させていただきその数日後、現場に御花を供えに行かせてもらい御遺族の方に話しを聞き、許可をいただき撮影させてもらいました。
2度に渡り現地に入り撮影して自分の見解を【フォトリポート】し土木関係に詳しい方や建設会社の方に意見をもらいながら遺族の方に参考資料として報告させていただきましたがあくまでも僕個人の見解です。
【フォトリポート】①
https://www.facebook.com/himepapa/media_set?set=a.2702310130048668&type=3
【フォトリポート】②
https://www.facebook.com/himepapa/media_set?set=a.2707776026168745&type=3
このタイミングで東広島市長である高垣氏よりFacebookで友達申請をいただき、直接今回の崩落事故について御意見をいただきました。
高垣氏は広島県土木のトップにおられた事も有り、大学も専門分野ですから知識も豊富。
返事をいただき、テレビの取材では調査団の見解は見ての通りの事で、おバカな私では全然理解出来ずにいましたが、ちゃんとした報告書の存在や感想を下さいました。
後日イベントで直接お話する機会をいただき、建設業界の方も加わり色々プロとしてのお話も含めて聞かせてもらいました。
「全国の市長さんの中でも土木関係については1番知識と意見を持っておられるのは高垣市長でしょう」と話の中で出てきた通り、普通の市長さんとは見解が違いました。
プライベート的な事も有りますのでここまでで終わりますが、本当にこれ以上災害に寄る死者が出ないようにするにはどうしたら良いのか?についてはを考えられていました。
7/28付けの市長の会見で応えられております。
(※市役所HPに掲載される前に市長様から連絡をいただいておりました)
現地調査結果概要
(広島大学学術院 教授 防災・減災研究センター長 海堀正博)
○ 当該地域は,7 月初旬からの長雨の影響で,7 月 14 日 5 時過ぎには実効
雨量(半減期 72 時間のもの)が 200 ㎜を超えており,土の中には水分が
多く含まれ,斜面の土壌が緩んだ状態にあった。
○ また,がけ崩れの起きた崩壊面が調査の時点でもかなり湿った状態であ
ったことや,周辺斜面上部からも何カ所も湧水が確認されるなど,水が
集まりやすい場所であったと思われることからも,大雨の際にはがけ崩
れが発生しやすい条件が存在したと考えられる。
○ これに加え,がけ崩れの発生した6時までの 1 時間に 25mm の比較的
強い雨を筆頭に,数時間にわたりまとまった雨が降り続いていたことが
引き金となり,がけ崩れが発生したと考えられる。
○ 斜面中の道路に土砂混じりの雨水が流れた痕跡があり,がけ崩れを起こ
した斜面にも一部流れ込んでいると判断されたことから,がけ崩れに与
えた影響は少なからずあったと思われる。道路を伝っての集排水は豪雨
時にはしばしば認められることであり,注意が必要と思われる。
○ 今回のような現象は,水の集まる場所については,どこにでも起こりえ
るものであるが,可能性のある場所はあまりにも数が多くなると思われ
る。道路構造などにより水の集排水の起きやすい場所があることに地域
住民が気づいた場合で大雨の場合には,その水が人家に近い斜面に流れ
込まないような土嚢などを使った対応策を当該地区の住民ら自身で施
すことも危険度を下げる効果があるものと思われる。
○ 被災家屋は,特別警戒区域内に立地していることから,崩壊土砂の力が
家屋の耐力を上回る大きな力が働いたものと考えられる。
○ 特に特別警戒区域内にお住いの方は,土砂災害の危険を感じた場合,
近くの頑丈な建物や区域外に避難することを考えてほしい。また,がけ
崩れの場合は,少なくとも2階以上への避難が有効な場合が多いことを
生かしてほしい。
○ 土砂災害警戒区域(特に特別警戒区域)においては,ふだんから水の多
いところや周辺の水が集中するような場所では,より早めの避難が望ま
れる。
※※※※※
高垣市長からこのようにFacebookを通じて御意見をいただいて、僕の見解も間違いでは無い事を確信できました。
赤字は原因 青字は【今後の教訓】として理解して欲しい。
報道ではこのような事を語られず【今後の教訓】となろうである文面は残念な事に市民の皆さんには伝えきれていないと思うのです😓。
自分が住む場所、仕事先、通勤&通学ルートを含めてハザードマップを再確認した上で、大雨の時などもう1度確認して問題あれば対応策を考える。
以上の事から、
1番大切な事は各々が”危機感”を持つ事!
行政だけでは無理だと知り、各々が危険度を下げる行為が大災害を防ぐ方法だともう1度理解して実行して欲しい。
☂梅雨も明け、急な豪雨や台風シーズンがやって来ます。
次に起こる自然災害はいつ起こるか?は分かりません。
心して立ち向かいましょう。
※画像は広島土砂災害、八木地区で撮影。